職業訓練では、必ず選考会というのが行われます。
どの様な職業訓練であっても、1回のコースでは必ず定員が決まっており、その定員以上の申し込みがあった場合には受講できる方を先行するため、選考会が行われるのです。
また、受講申込人数が定員割れであったとしても、訓練校の都合によって選考会が行われます。
では、どのような試験内容なのでしょうか?
今回は、職業訓練の選考会で実施されている試験と、選考会が行われる本当の理由についてご紹介します。
一般常識テストはどの訓練でも実施する
どの様な訓練コースであっても必ず実施されるのが【一般常識テスト】というものです。
転職活動をしている方の中には、既に受けたことがあるという方もいるかもしれません。
この一般常識テストの内容は、
「漢字の読み取り、書き取り、四則演算、語句の意味」など
一般的な知識があれば解くことが出来る程度の問題です。
また、受講する訓練の特徴に合わせた内容の〇✖問題などがある場合もあります。
但し、実はこのテストの結果はあまり重視されません。
この検査では人となりや訓練意欲を知ることは出来ませんので、面接重視で選考していました。
実際に試験を受けたときの内容を書いています(京都ポリテクセンター受講時)
一般常識テスト以外にオリジナルのテストを実施する
パソコンの基本的な操作が出来ることが受講条件の職業訓練所の場合、
一般常識テストのほか、パソコンに関する知識を問うための簡単なテストが行われる場合があります。
例えば、
Office系ソフトの操作が出来なくても、文字入力やマウス操作が出来るか。
ファイルとフォルダの違いを知っているか、正しくデータ保存が出来るか、サーバによってデータの一元管理が出来るといったことを理解できているかどうか。
今後の学習に付いていけるかなどを、オリジナルのテストを行うことで確認します。
また、コースによっては小中学生の図形問題などのオリジナルテストを受ける場合もあります。
都道府県によっては、職業訓練や再就職に関する小論文を書かせるところもあり、訓練校によるオリジナルテストを準備していないこともあります。
何のために選考会が行われるのか?
先ほども少し触れましたが、選考会は受講できる方を先行するために実施されています。
ですが、定員割れを起こしている訓練コースでも、訓練校側の勝手な都合があり選考会が実施されます。
職業訓練を実施するにあたって、職業訓練校が希望する訓練受講者は以下のような方です。
- 就職する可能性が高く、就職する意欲のある方
- 職業訓練の授業内容についてくることが出来る方
- 他人に迷惑をかけることなくまじめに授業を受けられる方
就職する可能性が高いかどうかという点ですが、実は職業訓練選考会の面接で確認をしています。
転職回数が多すぎる、これまでの経験職種に一貫性がない、30歳を過ぎても正社員としての経験がないなど、多くの企業から敬遠される可能性のある方を除外するために、選考会を実施しています。
更に、専門知識や技術を習得するためのコースの場合、その授業内容を理解できるかどうかというのは、訓練希望者だけでなく訓練校としても重要な点です。
理解できない方の多くは授業中の質問が多くなり、その都度授業が中断され先に進むことが出来ません。カリキュラムを消化できないと、他の訓練生からクレームが出ることもあるのです。
実は、多くの場合授業についてこられないとなると訓練途中で自主退校となります。
訓練を就職や病気、けがなどの理由以外で自主退校した場合、訓練生にペナルティがあります。
最後の理由の他人に迷惑をかけるかどうかというのは、テストではなく面接やテスト時間中などの態度と言葉遣いなどから判断しています。
特に、面接は1人1人交代で行いますので、中には1時間近く待って頂く方もいます。
その待っている間の態度などを見て、判断していることもあります。
この様に、あくまでも訓練校の勝手な都合によって選考会は実施されているのです。
訓練校が選考会を行う本当の理由とは?
職業訓練を実施する学校は、ボランティアで授業を行っているわけではありません。あくまでも利益を考えて実施します。
職業訓練では、訓練生1人に対し5万円前後のお金が訓練を主催する都道府県などから支払われます。
例えば、訓練生が20名で3か月のコースだった場合、
20名×5万円×3か月=300万円
支給されます。
更に、この訓練生が就職をするとインセンティブとして1人に対し数万円の支給があります。
つまり、職業訓練校は
訓練を実施するにあたり少しでも多くの収入があるように訓練生獲得に力を入れます。
ですが、就職する見込みのない方を訓練生として採用すると、就職率が低くなり次回訓練開催が出来なくなることもあります。
その為、就職する可能性の高い方を選びたいのです。
選考会の内容 選考会が行われる本当の理由 まとめ
職業訓練の選考会では、一般常識程度の内容のテストやオリジナルテストなどが実施されます。
それほど難しい内容のテストは実施されませんので、気負うことなく選考会に臨みましょう。
寧ろ、選考の合否を決定する最終判断は面接や試験中の態度などです。
最低限のビジネスマナーを守って社会人として恥ずかしくない態度で面接に臨みましょう。
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