職業訓練は、就職のために必要となる知識や技術を身に付けて早期に就職をしてもらうという目的があって実施されています。
その内容も様々で、中には専門学校に行かなければ習得できない様なコースまで設定されています。
訓練期間も、2か月程度の短期のものから最長2年までと幅広く、国家資格を目指すものまであり、出来ることなら受講したいと考えている方も多いことでしょう。
では、この職業訓練を受けた場合の
メリットとデメリットはどちらの方が高いのでしょうか?
折角受講してもデメリットの方が高いのなら、受けた意味もなくなってしまいますよね。
ということで、今回は職業訓練を受講するメリットとデメリットについてご紹介します。
職業訓練のデメリットとは?
職業訓練を受講すると、最長2年間就職しないで勉強することになります。
国家資格を目指す訓練内容とは言え、受講すれば必ず資格が取れるというわけでもなく、資格を取得できるかどうかは結局自分次第です。
資格を取得すれば2年という仕事のブランクも帳消しとなり、再就職も望めるでしょう。ですが、例え2か月とはいえ訓練を受けていれば当然その間はブランク期間となります。
多くの企業では、長期に再就職をしない方に対してかなり偏った目で見てしまう傾向にあります。就業意欲が低い・能力に問題があるのであないか。などネガディブな印象を想像してしまいます。
職業訓練を受講したとしても、その訓練内容と希望する企業の業種や職種が合っていなければ、残念ながら就職に有利に働くことはないのです。
職業訓練受講のデメリットとしては、職業訓練に行くことは、
本当に就職活動に有利に働くのかどうか?
という点のみと言えるかもしれません。
次にメリットと、就職活動に有利に働くのかどうかを解説していきます。
職業訓練のメリットとは?
一方で、職業訓練を受講することで様々なメリットが有ります。
- 無料で専門的な知識や技術を学べる
- 失業給付金の3か月待機期間を解除できる
- 失業給付金を延長給付できる
- 職場実習先にそのまま就職できる
- 就職に有利となる
職業訓練受講のメリットについて箇条書きで挙げてみましたが、全ての人にとってメリットが有るとは言えません。
内容を知るためにも、1つ1つご説明します。
無料で専門的な知識や技術を学べる
パソコン操作の習得という基礎的なことから、介護職を目指すものまで期間も内容も様々です。これら訓練内容の多くは、専門学校などに通って勉強する内容です。
自費で専門学校などに通う場合、その学校や内容に違いはありますが、10万円以上はかかってしまいます。
この受講料を支払うことなく専門知識などを勉強できるという点で、かなりメリットが有ると言えます。
但し、テキスト代や実習などで使用する作業着代などは実費です。
失業給付金の3か月待機期間を解除できる
雇用保険の被保険者であった方の中には、退職理由が自己都合などの場合、3か月間の待機期間があります。
失業登録をしても、3か月間失業給付金を受給できないまま就職活動をしなければならないのです。
ですが、職業訓練の受講が決定すると、訓練開始日からその待機期間が短縮され、訓練開始月の翌月15日には最初の受給を受けることが出来るのです。
但し、この待機期間が1/3以下の場合には、残念ながら職業訓練の受講が出来ない可能性もありますので、必ずハローワークの窓口で確認しましょう。
失業給付金を延長給付できる
雇用保険の受給残日数によっては、職業訓練受講期間中と、訓練終了後の1か月間、失業給付金を延長給付されます。
所定給付日数によってその残数に違いがありますので、表にしてみました。
所定給付日数 | 残り日数 |
---|---|
90日 | 1日以上 |
120日 | 1日以上 |
150日 | 31日以上 |
180日 | 61日以上 |
210日 | 71日以上 |
240日 | 91日以上 |
270日 | 121日以上 |
300日 | 151日以上 |
330日 | 181日以上 |
例えば、90日間しか受給できないという方の場合で、受給残日数が1日のみとします。
既に89日分は受給しているのですが、6か月間の職業訓練を受講したとすると、6か月分180日間の受給日数が加算されます。
更に、訓練終了後の30日間も受給延長されますので、合計210日分の受給日数が加算されることになります。
90日間の所定受給日数に職業訓練期間180日と訓練終了後の30日間が追加で受給できることになりますので、合計で300日の受給期間があるということになります。
但し、求職者支援訓練という雇用保険の被保険者ではなく、失業給付金の受給資格がない方を対象とした訓練の場合には、これら失業給付金の待機期間解除や延長といった優遇はありませんので、注意が必要です。
職場実習先にそのまま就職できる
職場実習付きの訓練コースの場合、多くの方は職場実習先にそのまま就職できます。
就職活動をしなくても良いというメリットもありますし、職場実習中に自分のスキルをアピールできるというメリットもあります。
更に、実習先企業でその企業の体質を見ることが出来るというメリットもあり、職場実習付きの訓練は企業・求職者ともにメリットが有ると言えます。
但し、訓練のみという企業も少なくなく、中には残念ながら就職できないということもあります。
また、職場実習を行っても、本人のスキルや性格などによっては、就職を断られることもありますし、企業の体質などを見て就職を断ることもあり、全ての方にメリットが有るというわけではありません。
就職に有利となる
国家資格など、資格がなければ仕事が出来ない様な職種の場合、訓練終了後の資格取得が就職の条件となることもあります。
ですが、多くの訓練の場合、その訓練内容に合った業種や職種に就職するなら、訓練である程度のスキルや知識を習得しているということは、アピールとなり就職に有利となります。
企業によっては、訓練が終了するまで入社を待ってくれることもありますので、最後までしっかりと専門知識を勉強することも出来ます。
職業訓練のメリット・デメリットまとめ
職業訓練は、失業給付金を受給している方には特にメリットが有ります。
失業給付金の受給資格のない方の場合には、求職者支援制度を利用して職業訓練を受講すれば、受給条件がありますが職業訓練受講給付金を受給することも出来ます。
職業訓練には、デメリットもありますが、
多くの方にとってはメリットの方が大きいと言えます。
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